柳田國男

「ローマ字論者のまだ考えておらぬ軟らかなG、長崎をNangasakiなどと書くngは、学者によってなおいろいろな表音法を採用しているが、必ずしも言葉の中ほどにある場合のみでなく、また他の母音にも伴のうて、弘く大平洋の各地に行われている。これなども日光・風・湿気・食物、その他の天然の力が肺や声帯や口腔構造に影響して、この大なる一致を示すのかも知れぬ。」
柳田國男「青年と学問」