二人ほど性格の違う二人の人間

「この二人ほど性格の違う二人の人間を想像することはむずかしい。モーツァルトは驚くほど早く発展していった。一方、ハイドンの進歩は信じられないほど遅かった。事実、ハイドンは三六歳(モーツァルトはこの年齢で死んだ)の時には、まだほとんど重要な作品を書いていなかった。人間としてのモーツァルトは典型的な芸術家で、その気分は、快活な陽気さから深い憂鬱へと、また怒りの発作からほとんど女性的な優しさへと、急激に変化した。ハイドンの方はむしろ冷静な気分の持ち主で、常に静穏、快活、また多分にユーモアのセンスを持っていた…。」ガイリンガー