中上健次

「……言葉を書くという行為はいつも、


絶えず、その小説家に様々な問を発する。


その問に答え切って再度、筆を執っているわけではない


問があまりにも切実で、だから、問そのものを書きつける事もあれば、


問の重さを支え切れず、問に圧し潰されて流れだした


精神の液のようなものをインクにして、言葉を書く事もある。」

中上健次 『熊野集』あとがき「問という大岩」


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