クロード・レヴィ=ストロース『神話学』第一巻

「盲目あるいは跛足、


方眼あるいは片手などの形象は、


世界中の神話に頻出し、


われわれに当惑を感じさせる。


なぜなら彼らの状態は、


われわれには欠如


であるように思われるからである。


しかしながら、


要素の除去によって


不連続にされた体系が、


数的にはより貧しいにもかかわらず、


論理的にはより豊かになるのと


まったく同様に、


神話はしばしば不具者や病者らに、


正の意味を付与する。


つまり彼らは、


媒介の様式を体現するのである。」

レヴィ=ストロース
『神話学』第一巻(吉田敦彦訳)