2012-10-08から1日間の記事一覧

じっさい何を望んだのかを思い出せるひとは、ほとんどいない

「何であれひとつは望みを叶えてくれる仙女は、だれにとっても存在する。しかし、自分がじっさい何を望んだのかを思い出せるひとは、ほとんどいない。」ヴァルター・ベンヤミン 「1900年前後のベルリンの幼年時代(抄)」冒頭書き出し

その婦人が、自殺前、「夫に済まぬ、夫に済まぬ」と言って泣きいたり

「さる二三日の本紙に、不注意のため乳房にてわが子を窒息せしめたる母親が、良心の呵責にたえずして、ついに自殺したという哀れの物語が載せてある。しかるに、その婦人が、自殺前、「夫に済まぬ、夫に済まぬ」と言って泣きいたりとあるを見て、我輩は少し…

二度三度、はなはだしきは四度五度のおじぎ、予輩はその煩にたえざる

「礼儀三◯◯、威儀三千と称せられし幕府時代の旧習なおいまだ去りやらず、何事にも上つらばかりの虚飾の残れるこそ口惜しけれ予輩はまず何とかして今日の敬礼法を改めんことを希望する者なり、ここに言う敬礼法とは「おじぎ」のことなり、途中にても座上にて…