2007-11-03から1日間の記事一覧

あたかもうそつきなるかの如く

「…一般史学者のこれに対する態度が、なほ過當に冷淡であつて、所謂齋東野人の語を以て視るばかりか、時としては単純なる地方人を、あたかもうそつきなるかの如く取扱ふが故に、彼等がいよいよ其確信に固執するの結果となり、彼等と共に静かに傳説の歴史とし…

書いた物の勢力

「書いた物の勢力が今日より小さかつた時代には、民間の話は縁起や紀行を離れて又変化する。暫らくして再び来て見れば、面白い位に外形が改まつて居る。」 柳田國男「比丘尼石の話」『妖怪談義』『定本柳田國男集第四巻』筑摩書房 s38 p.265 使ってみたいウ…

よその民族よりも遥かに

「…唯日本の國民が、よその民族よりも遥かに立ちまさって、帝王巡國の傳説を信じやすい習性を具へて居た事實…」 柳田國男「史料としての傳説」『妖怪談義』『定本柳田國男集第四巻』筑摩書房 s38 p.192

盲信せず、自分の現象を検し

「ただ我々は外国の学者に盲信せず、自分の現象を検し、自分の疑惑を釋くことを心掛ける必要を認めるのみである。」 柳田國男「盆過ぎメドチ談」『妖怪談義』『定本柳田國男集第四巻』筑摩書房 s38 p.352

名前までが変幻出没して

「…化け物は名前までが変幻出没して居たのである。」 柳田國男「妖怪談義」『妖怪談義』『定本柳田國男集第四巻』筑摩書房 s38 p.304

かういう風に後ろ髪を引く

「妖怪はつまり古い信仰の名残で、人がその次の信仰へ移つて行かうとする際に、出て来てかういう風に後ろ髪を引くのである。」 柳田國男「盆過ぎメドチ談」『妖怪談義』『定本柳田國男集第四巻』筑摩書房 s38 p.352