2006-08-05から1日間の記事一覧

ヴァルター・ベンヤミン

「夢の街と夢の家 未来の空間、人間学的ニヒリズム、ユング」ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』

国木田独歩

こしかたの夢に焦るる現世の 恋てふものは夢にぞありける 国木田独歩『独歩詩集』 p.180

ビンスワンガー

「この二つの本(フッサール『論理学研究』フロイト『夢判断』)は、人間がおのれの意味作用を捉えなおし、その意味作用のうちでおのれ自身を捉えなおそうとする二つの努力だった。」 ビンスワンガー『夢と実存』P.10

ビンスワンガー

「『夢判断』とともに、夢が人間的意味作用の領野のうちに入り込んでくる。」 ビンスワンガー『夢と実存』P.10

ビンスワンガー

「夢は、意味を完成するのと同じくらい意味を裏切りもする。つまり、夢が意味を与えてくれるにしても、それは、その意味を打ち砕いた上でのことなのだ。」 ビンスワンガー『夢と実存』p.11

ビンスワンガー

「夢はその客観的文脈が乏しい分だけ豊かなのである」 ビンスワンガー『夢と実存』p.36

ビンスワンガー

「眠れる精神と目覚めた精神のあいだにあって、夢見る精神は、このいずれから借りたわけでもない輝きや真価をもった経験をする」 ビンスワンガー『夢と実存』p.36

ビンスワンガー

「想像的なものとは超越性の記号であり、夢は想像的なものを記号としておこなわれるこの超越性の経験なのである」 ビンスワンガー『夢と実存』p.39

ビンスワンガー

「夢みる経験をその倫理的な内容から切り離すわけにわいかない」 「…それは、この経験が秘密の嗜好や口にするのもはばかられる欲望をあらわにし、本能の暗雲をすべて湧き立たせるからでもなければ、この経験が、カントにおける神のように「腎臓と心像を探る…

ビンスワンガー

「夢みる者はそこに、完成された姿においてであれ歪められた姿においてであれ、おのれの実存の根源の運動とおのれの自由とを見いだすのである」 ビンスワンガー『夢と実存』p.60

ビンスワンガー

「夢は自由な生成であり、自己の実現であり、個体のうちにあるいっそう個体的なものの発現なのだ。」 ビンスワンガー『夢と実存』p.60

ビンスワンガー

「人間がおのれの夢のもっとも深いところで出会うもの、それはおのれの死である」 ビンスワンガー『夢と実存』p.61

ビンスワンガー

「…眠りは見せかけの死だと考える自然主義的伝統ほど誤ったものはあるまい。夢がいわば実存へ向かっての生の炸裂であり、夢はこの光のもとでおのれの死すべき運命を見出すのであってみれば、むしろ問題は夢そのものの弁証法にあることになろう。」 ビンスワ…

ビンスワンガー

「夢の主体ないしは夢における一人称は夢そのものであり、夢全体なのだ。夢の中では、あらゆるものが―物や動物、空虚な空間、この空間の幻影を満たす遠くにある奇妙な事物でさえもが―「私は」と語る。夢、それは荒涼たる空間のうちにうがたれ、混沌のうちに…

ビンスワンガー

「夢は想像力の一様態などではなく、想像力の可能性の第一条件なのである。」 ビンスワンガー『夢と実存』p.92

聖書

聖書エジプトの王の見た夢の意味を、イスラエル人のヨセフが鮮やかに解いた話 ヨセフはエジプト人に奴隷として売られてしまったが、夢を解き明かす力に恵まれていたために、ファラオに抜擢されて、ファラオの夢の意味を明らかにした(創世記四十章)。ファラ…

ホメロス

ペネロペーアの夢の中で一羽の鷲が鵞鳥の群れに向かって舞い降りてその全部を屠り殺す。詩人と読者は、これが夢みる女性のこころのなかで起こった主観的現象であるとは考えなかった。これはオデュッセウスによる求婚者たちの殺害を指示している。 ビンスワン…

エウリピデス

牝鹿に襲いかかる狼の夢(『オデュッセイア』の夢と類似) エウリピデス『ヘクーバ』 ビンスワンガー『夢と実存』p.141

アイスキュロス

アイスキュロス『ペルシャ女』夢に引きつづく神託

ルクレティウス

昼の体験と夢の体験の現実的関連 ルクレティウス『事物の本性について』

ペトロニウス

近代の夢学説の先取り。「じつは各自がみずから創るのである」 ペトロニウス

ヘラクレイトス

「目覚めている人間は、認識の世界に生きている。だが、眠っている人間は、おのれに固有な世界に向けられていたのだ。」 ヘラクレイトス ビンスワンガー「ヘラクレイトスの人間理解」『現象学的人間学』

アウグスティヌス

夢の中に回帰する過去のマニ教的人格や自らの懐疑論的性格に出会い、 夢見る人に道徳的責任が問えるか、あるいは夢という知覚的世界に真理の存在を問題とし得るか アウグスティヌス

クリュシッポス

夢とその個々の意味のうちに、世界の普遍的連鎖と、世界の統一をかたちづくり、その一つ一つの断片を同一の霊的な炎で生気づけようと協力する共感の効果徒を認めていた。 クリュシッポス(前280−207)ギリシャの哲学者ストア派第3代

ヤンブリコス

夕方か暁か他事の夢だけに価値がある ヤンブリコス(250−330)新プラトン派でシリア派の創設者

カンパネルラ

普遍的凝集の原理である世界霊が、人間にそのさまざまな本能と欲望と夢とをまったく同時に吹きこむカンパネルラ

キケロ

「夢みる者にとってはなに一つ重要なことはない」詩作された夢を絶えず引用する弟クイントスの口を借りて「それが詩人によって創作されたものであっても、普通の夢とたいした隔たりはない」 キケロ

プラトン

「夢は倫理的内容のまったき露呈であり、むき出しにされた心である。 夢のこうした意味作用を述べている。」 プラトン『国家』第9巻

アリストテレス

「夢においては魂はおのれの肉体から解放され、宇宙のうちに入り込み、そこに埋没し、まるで水に溶け込むように宇宙の動きと混じりあうのである」 アリストテレス「夢について」全集6巻

エルヴェ・ド・サン・ドニ

夜を昼に還元することなく夜のままに生き抜いていこうとする夢操作の研究。人間は文明の発展に伴い、夜に火を持ち込み昼を肥大化させ夜を細らせたが、夜の中で自己実現を図り夢を夢のままに生きていこうとした。夜の語るところに耳を貸そうとした。→ユングの…