人種の差別が受けるたましいのいたみ。それは、目に見えぬ獄


土人は、おのれが土で造られたものと信じている。いわれのない卑下だ。かつて、私の上にも金銭、あるいは、容貌などにむかっての卑下が、どれほど私の姿をみじめにみせたことであるか。人種の差別が受けるたましいのいたみ。それは、目に見えぬ獄」

金子光晴
『マレー蘭印紀行』