インプロヴィゼイションの酸性雨に曝されゆっくりと侵食され虫食い状態になった穴の向こうに違うクリムゾン像が見えている

「1970年発表のアルバム『リザード』はクリムゾンの全作品の中でも不思議な位置に立たされているアルバムだ。1969年発表の『クリムゾン・キングの宮殿』で描いたクリムゾン像がフリップのアイディアで、導入されたキース・ティペットをはじめとするジャズ・フィールドのミュージシャンによってもたらされたインプロヴィゼイションの酸性雨に曝されゆっくりと侵食され虫食い状態になった穴の向こうに違うクリムゾン像が見えている、そんな印象さえ受ける。」

深民淳
キング・クリムゾン
「太陽と戦慄」Larks'Tongues In Aspic