月を見る我が月になり、我に見られる月が我になり

明恵「冬の月」三首を論じ

「…素直、純真、月に話しかける言葉そのままの三十一文字で、いはゆる「月を友とする」よりも月に親しく、月を見る我が月になり、我に見られる月が我になり、自然に没入、自然と合一してゐます。」

川端康成
『美しい日本の私』