メディアはをとらえる能力に恵まれているとも、その使命をになっているとも思いません

「メディアは<事件>をとらえる能力に恵まれているとも、その使命をになっているとも思いません。まず、メディアが最初と最後を見せるのに対して、<事件>のほうは、たとえ短時間のものでも、さらには瞬間的なものでも、かならず持続を示すという違いがあります。そしてメディアが派手なスペクタクルをもとめるのにたいして、<事件>のほうはロスタイムと不可分の関係にある。これは<事件>の前後にロスタイムがあるということですらなくて、ロスタイムは<事件>そのもののなかにあるということなのです。」


「哲学」

ジル・ドゥルーズ(宮林寛訳)
『記号と事件 1972-1990の対話』河出書房新社 1992 p.266