どんな引用も、まずは、読むことである

「引いた下線は、私があとで、それに沿って切り抜きをするはずの点線なのだ。どんな引用も、まずは、読むことである。そして、私が行う引用は、それが引用になる以前に私が読んだものであるという、そんな自明の意味において、アンダーラインを引く行為としての読書も、また、ひとつの引用なのである。」

アントワーヌ・コンパニョン
『第二の手、または引用の作業』水声社 p.29