【『たまごのはなし―かしこくておしゃれでふしぎな、ちいさないのち』レビュー】
おとなしい卵は、いろんな姿をしている。
何も語らない卵だけれど、いろんな形で生きている。
殻が破られれば、そこはにぎやかな生命の賛歌!
子どもと一緒に語りながら読める絵本です。
卵はアレゴリカルにも語られる。ガリバー旅行記のスウィフトは、
カトリックとイングランド国教会のいさかいを卵に例えたし、
百科事典で有名なディドロは卵をあらゆる神学を転覆させる
真理と見なし、「鏡の国のアリス」ではハンプティ・ダンプティが
卵の姿でアリスに向かって大げさに威張る。
卵には、ヒミツがいっぱいなのだ。