叙事文学はどこにでも生まれるものではない……

「『イーリアス』、


オデュッセウス』を持たない国々は


何らのストーリーもない、


族長を賛美する口承文学で


満足しなければならなかった。


人々は(ここでカーは古代アイルランド文学を指している)


語り部から人間性のある


議論や討論を聴く代わりに、


あらゆる種類の途方もない冒険話を聞かされた。


叙事文学はどこにでも生まれるものではない……


真の叙事文学の発展は


知的自由と想像力の


自由への一歩である。」

フェイロン
アイルランド 歴史と風土』岩波文庫 p.45 1997

W.P.カーの発言を受けて