宗教は異界をめぐる体系的信念として定義される

「…神とは


異界の人格的表象であり、


いわゆる宗教は、異界をめぐる体系的信念として


定義されることになろう。


このようなものとしての異界は、


吉本隆明が唱えたいわゆる


共同幻想(『共同幻想論』)ではない。


吉本の共同幻想論の根にあるのは、


人間が集まり条件さえととのえば


そのまま仲間ができ共同体となり得る


というルソー的な(『人間不平等起源論』)


素朴な前提である。」

百川敬仁
『日本のエロティシズム』ちくま新書 2000 p.54-55