イズムは既に経過せる事実を土台として成立(漱石)

「…イズムは


既に経過せる事実を土台として


成立するものである。


過去を総束するものである。


経験の歴史を簡略にするものである。


与えられたる事実の輪郭である。


型である。


この型を以て未来に臨むのは、


天の展開する未来の内容を、


人の頭で拵へた器に


盛終せようと、


あらかじめ待ち設けると


一般である。」
夏目漱石
「イズムの功過」