2010-11-29 死にゆく人の脳裏には、もはや神も家族もなく まとめ 「…アリエスは、 二○世紀においては、 死が象徴的な意味で 「虚無に埋没した」 と捉えました。 死にゆく人の脳裏には、 もはや神も家族もなく、 自分もまた消え去るものとしての 現代的な虚無の世界しかないのではないか と言っています。 「その無の根底を支え得るのは、 わずかに人間同士の心の交流としての 愛と優しさではないか」 というのが彼の結論です。 ここにおいて、 死は再び、 生命の 本源的なるものへの 回帰に導かれているようです。」アルフォンス・デーケン 『死とどう向き合うか』NHKライブラリー 日本放送出版協会 p.16 1996