バルザックの小説はむやみに長い骨董品のように見え

「つまりは


バルザックの小説はただむやみに長い


骨董品のように見えていた。


ところがそうではなかった。


バルザックは十九世紀後半の


文化や科学までを見通し、


二十世紀をも予感していたし、


さらにバルザックを読むためには十八世紀に、


さらにそれ以前に


視野を拡げることが必要だった。」

飯島耕一
バルザックとわたし」
「環【歴史・環境・文明】特集 歴史認識」vol.1 藤原書店 2000