ランシドも読んでる11億円の本を紹介してみる

Like Chaucer's Canterbury tales When three men find a pot of gold…(Rancid "Rancid 2000")

と、いまやアメリカのパンクバンドにまで歌われ、1998年には初版本が約11億円で落札された、MJもびっくり、イギリスが世界に誇る『カンタベリー物語』です。

聖地カンタべリーへの巡礼のためロンドン南郊サザークの同じ宿屋に泊まり合わせた客29人と「私」と名乗る自分。(なぜかロストっぽいはじまり)

騎士、見習い騎士、坊さん、粉屋、荘園の管理人、百姓、貿易商人、コック、医者、法律家、修道女、船乗り、弁護士、ショップ店員、いち主婦などなどが勢揃い。全員でくじを引き、順番におもしろおかしい話を披露し合えば旅の慰めになろう!という宿屋の主人のアイデアで目眩くヨモヤマ話が始まってゆく。

階級や男女を問わない無礼講がココにスタートッ!

より小さな物語を大きい物語に埋め込んだ「枠物語」として構成される本編は、『デカメロン』をお手本としながらも、当時にしては珍しく、英語で書かれたのだった。(この本のおかげで、ただのロンドン方言が英語のスタンダードになったという!)

作者チョーサーは、オモシロ話や有り難い話など既存のあらゆるジャンルから素材を選び出し、これをら編集し直して全体の脈絡を通す「コンピラーティオ」というワザを駆使する。この本自体が、DJ☆チョーサーのコンピレーションアルバムのようなもの!?かもしれない。

そういえば、カンタベリーつながりで、「カンタベリー・ロック」ってジャンルも「サイケデリック・ロック」、ダダ的「ポップサウンド」にセッション重視の「ジャズ」や「ロック」などを取り込んだある種独特なプログレサウンドだったなぁ。チョーサーとなんか関係あんのかなぁ

ともかく!

イントロの物語を「枠」として使うことによって、バラバラの短編群を繋いだりそれらが物語られる場の状況を語ったりする、いまでこそ市民権を得た物語技法が、かつての斬新さでいまなお異彩を放つこの1冊を手にとって読んでみてはいかが?


追伸 カンタベリー良訳なら、断然、西脇順三郎
チョーサー『カンタベリ物語』全2巻,ちくま文庫,1987

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