長い鼻をあけ方の秋風にぶらつかせながら。
「内供は慌てて鼻へ手をやった。
手にさわるものは、昨夜の短い鼻ではない。
上唇の上から顋の下まで、五六寸あまりもぶら下っている、
昔の長い鼻である。
内供は鼻が一夜の中に、また元の通り長くなったのを知った。
そうしてそれと同時に、鼻が短くなった時と同じような、
はればれした心もちが、どこからともなく帰って来るのを感じた。
――こうなれば、もう誰も哂うものはないにちがいない。
内供は心の中でこう自分に囁いた。長い鼻をあけ方の秋風にぶらつかせながら。」
芥川龍之介
「鼻」末尾 むすび
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