ジョイスがお嬢さんを連れてユングに相談に来る

ジェイムズ・ジョイス


お嬢さんが分裂病で、


ジョイスがお嬢さんを連れて


ユングに相談に来るんです。


ジョイスは、


自分もいっぱい新造語を


つくったりした人ですから、


自分の娘は


新しき芸術家だと確信しているわけです。


世の中には認められていないけれども、


自分よりも


もっとすごい芸術家だと。


しかしユングは、


「あなたは芸術家だけれども、


お嬢さんは分裂病にすぎない」


と答えるんです。


なぜかというと、


意識的なかかわりというか、


あるいは操作といったらいいか、


それが介在したものとして


つくられているのが


ジョイスの新造語である。


ところが娘ルシアのそれは


無意識が


そのまま出てきているだけだから、


芸術ではないと言うんです。


だけどジョイス


それを肯定しない。」

河合隼雄 谷川俊太郎
『魂にメスはいらない』
講談社+α文庫 1993 p.91

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