それらが志賀直哉の創作衝動を促す刺戟のひとつに

「確かジイドだつたと思うが、昔は文學・音學・繪画かどが互いに影響しあつていたが、現代では各自がそれぞれ専門的に分化してしまつて、制作面において影響しあうなどということは、全くなくなつてしまつたという風なことを述べていた。この現象はわが國の現代文學を顧みても眞実のように思える。しかし、それは飽くまで制作の面においてだけであつて、出来上つたものからの影響は別であろう。初めに書いたように、志賀文學には陶磁器や繪画についての記述が多い。ということは、必然的に、志賀直哉はそれから美意識になんらかの影響を享けるなり、精神的休息を覺えるなりしているに違いない。同時に、それらが志賀直哉の創作衝動を促す刺戟のひとつになつていることも確かである。」

淺見淵「芸術主義の 廢について」4段落目

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