メロディとリズムが描く、色彩を完成させる 演奏だけを、

「同時に、ここにつけ加えて言わせていただきたいことがあります。それは、私はいまだ各所で行われているあの機械的な、拍子のうわずった、ばらばらに切り刻んだ思い上がった演奏、つかみ損ないの演奏は、できるだけ拒否したいとねがっていることです。ただ特殊なアクセントを際立たせ、メロディとリズムが描く、色彩を完成させるピリオード的な演奏だけを、事実をつかむものとして認めたいのです。」
フランツ・リスト『交響楽的詩作』序文