柄谷行人

「人類学者はそこにすみこんで観察することはできるが、そこで生きることはできない。もしできたとしても、そのとき彼は人類学者ではない。…それは単純な錯覚にもとづいているのであって、たとえば狂気の思考の「独創性」にのみ注意をむけて、その「世界」のぬきさしならぬつらさを無視しているのだ。」

柄谷行人「夢の世界」P.69