2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

正義と不正、モンテーニュ

「大きく正義を行おうとする者は、 細かく不正を働かねばならない。 大事において正義をなしとげようとする者は、 小事において不正を犯さなければならない。」ミシェル・エケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 「エセー(随想録)」 エセー…

おまえの経験は必要ではない。

「理法を理解せよ、 そうすれば おまえの経験は 必要ではない。」レオナルド ダ・ヴィンチ(杉浦 明平訳)『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』 下 岩波文庫 青 550-2

自覚さえあれば、どんな短所も長所に変えることができる

「要は、自分に、「こういうクセがある」という「自覚」があるかないかです。」自覚さえあれば、どんな短所も長所に変えることができるのです。国司義彦 『得な性格・損な性格』

吉田健一は、この国の特殊な文学状況を逆手にとったもの

「晩年の吉田健一の人気がどの程度まで小説に負っていたかどうかは、にわかに見定めることができないけれども、彼が書いた、自由自在、およそ小説らしからぬ小説のかずかずが、この国の特殊な文学状況を逆手にとったものであることは、あるいは、念を押すま…

……言語ほど変化し易いものは寧ろ少ないのである。

「改めようと努めぬ場合にすら世の言葉は変つてゐる。……言語ほど変化し易いものは寧ろ少ないのである。」柳田國男 『定本柳田國男集』第19巻 p.9

トシ・・・・サッカー好きか?

「少なくとも今の掛高は違う あっと・・そろそろいかなきゃな あ はい・・・・ おうトシ左のシュート チャンスがあったらかまわずうてよ はい よーし ますますがんばんなきゃな トシ ・・・・ サッカー好きか? はい!」大島司 『シュート!』講談社漫画文庫…

新居浜が舞台の作品、冒頭書き出し

「「ママ、びっくりしないで、 泣かないで、落着いてね。 そう、わたしは旅に出たの。 ただの家出じやないの、 旅に出たのよ(つづく)」」素九鬼子 『旅の重さ』 冒頭書き出し

ジョゼフ・コンラッド「ノストロモー」より

「神は 男のために、 宗教は 女のためにある。」ジョゼフ・コンラッド 「ノストロモー」

言葉は我々の精神を揺り動かすに至り、

「長い付き合いから得た結論を言うと、 文学は言葉であり、 言葉が有効に使われれば、 それは我々の精神を揺り動かすに至り、 精神はやがて動かなくなって、 平静に戻る。」吉田健一 「文学の目的」p.84

それは祖国を正義の中で愛したいと欲したからである。

「われわれが、 ときには祖国よりも 正義を好んだように見えたとしても、 それは祖国を 正義の中で愛したい と欲したからである。」カミュ、アルベール 「ドイツ人の友への書簡-1943/12」

本質的に笑うべき欠点は虚栄心である。

「虚栄心の特効薬は 笑いであり、 そして本質的に 笑うべき欠点は 虚栄心である。」アンリ・ベルクソン(林 達夫訳) 『笑い』岩波文庫

トールキンの空想

「「空想」のなかで、 人間は実際に 神の「創造」の葉をひろげ、 その豊かさを増すことを 手伝うことができるのだ。」トールキン 『妖精物語について』

自分が変われば組織も変わります。

「自分が変われば組織も変わります。そのいちばんのコツは、自らのコミュニケーション能力を検証して、聴く能力を高めることです。しっかり聴くほうが、相手への理解が深まるのは当然ですが、じつは自分の思いも正確に伝わるのです。」大久保寛司 『自分が変…

吉田健一の文章は息が長い。

「吉田健一の文章は息が長い。つまり、句読点が異常に少く、晩年になるほど、その癖は、ますます強まっていった。」篠田一士 『吉田健一論』筑摩書房 1981 p.12

織田信長と斎藤道三の旧臣稲葉一徹とのエピソードより

「雲ハ秦嶺ニ横タハリテ 家何クニカ在ル 雲ハ藍関ヲ擁シテ 馬前マズ」韓退之織田信長と斎藤道三の旧臣稲葉一徹とのエピソードより

自然は民族を創らずただ個々の人を創るのみ

「自然は 民族を創らず ただ個々の人を創るのみであり、 個々の人間が言語、 法律ならびに風習の相違によって はじめて民族に区別されるのである。」スピノザ(畠中尚志訳) 『神学・政治論』岩波文庫

「みまな」の「な」は、"うじな(宇品・広島県)"の「な」

任那の語源について 「「みまな」の「な」は、"うじな(宇品・広島県)""あじな(芦品、同上)"などの「な」であり、「那の津」(博多湾)の「那」に当ろう。海岸部の領域を指す日本語だ。」古田武彦 『法隆寺の中の九州王朝』朝日文庫 p.33 1988

思考は極端なるものによってのみ進むが…ヴァレリー

「思考は 極端なるものによってのみ 進むが、 しかし 中庸なるものによってのみ 存続する。」ヴァレリー、ポール 「ヨーロッパ人」

俗語とは自分のまわりの者から身につけることばのこと

「俗語とは、 こどもがことばを聞きわけられるようになるとすぐに、 自分のまわりの者から身につけることばのことだ。 もっと簡単にいえば、 私たちがいっさいの規則によらず、 乳母からまねをしながら受けとったことばのことだ。」ダンテ 『俗語論』第一篇…

九州王朝はこのさ中から生れ出たのである。

「板付の縄文水田も、 金印の志賀島も、 須玖岡本の王墓も、 この巨巌信仰圏の 中枢に横たわっていた。 九州王朝はこのさ中から生れ出たのである。」 古田武彦 『法隆寺の中の九州王朝』はじめに 朝日文庫 p.3 1988

そこにおのれの感受性と思考のすべてを賭けること

「経験とは一冊の書物を読み、そこにおのれの感受性と思考のすべてを賭けることだ。つまり、吉田風に言うならば、それは一皿の食物を頬ばったり、また、一杯の盃を傾けることとまったく同質の経験なのである。」篠田一士 『吉田健一論』筑摩書房 1981 p.53

シェイクスピアが最高の詩人というのは典型的な広告に過ぎない

「…文学では一つの作品に価値があるのを認めることは出来ても、 それと他の作品の価値を秤に掛けてその大小を知るような、そういう秤はない。 もしそういうものがあれば、文学の観念はその根本から崩れてしまうので、 文学の共和国という言葉は、伊達に用い…

ロベール・ブレッソンの映画を見たときの衝撃

「生まれてはじめてロベール・ブレッソンの映画を見たときの衝撃を、わたしはいまでもよく覚えている。『バルタザールどこへ行く』だった。そこでは一匹のロバの眼が、どこまでも悲しくて、どこまでも澄んだロバの眼が、自分をとりまく人間の世界をじっと見…

吉田知子『無明長夜』

「粘ったものが 内腿を伝わって 滴り落ちていました。」吉田知子 『無明長夜』

プルーストは高性能の大仕掛なプラント工場

「ヨーロッパのサンボリストたちは、 時間に対して、 真向から敵意をあらわにし、 だれもが、 その殲滅に心をくだき、 あの手、この手と、 さまざまな戦術を編みだし、 ついには、プルーストのように、 高性能の、大仕掛なプラント工場のごときロマネスクの…

或はポオがアガサ・クリスチイよりも偉い、のか?

「…シェイクスピアがデュウマよりも、 或はポオがアガサ・クリスチイよりも 偉い間は文学の発達、 というのは、 文学の健在を望むことは出来ない。」吉田健一 『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年 p.108

岩野泡鳴は、日本では単に一箇の文学者だった。

「…岩野泡鳴はヨーロッパならば、 前衛的な思想家として当然迎えられるか、 或は無視されたはずなのに、 日本では単に一箇の文学者だった。 彼がシモンズの「象徴主義文学運動」を訳し、 その五部作でシモンズの思想にどれだけの実生活による肉付けが出来る…

今日の日本の文学界は座談会に無数の出席者が集うのに似て

「…広汎な読者層を抱えた 今日の日本の文学界はいいにつけ、 又悪いにつけ、 一つの座談会に 無数の出席者が集ったのに 似て来る。」吉田健一 『読者の立場から見た今日の日本文学』日本文化研究4 新潮社 p.40

文学を文学以外のものでごまかさないと心掛けたジイド

「清新であること、 というのは、 文学を文学以外のもので ごまかさないことを 心掛けた点は ジイドが書いたものの 大きな特色をなしている。」吉田健一 『横道にそれた文学論』文藝春秋新社 昭和三十七年 p.44

日本は相当手ごわい矛盾の体言者と思われます。サイード

「ことに 大江さんが対象とする日本は 特異な国で、 近代性と伝統、 戦争と平和、 依存とずぶとさ、 帝国とその喪失という 盛衰に見られるように、 相当手ごわい矛盾の体言者 と思われます。」エドワード・サイード(中野真紀子訳) 「未来に向けて 往復書簡 …