2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

なによりもオリエンタリズムは言説である。

「オリエンタリズムとは世界を理解し、場合によって支配し、操縦し、統合しようとさえする一定の意志または目的意識そのものである。なによりもオリエンタリズムは言説である。」 エドワード・サイード『オリエンタリズム』

「オリエント」という半ば神話的な概念は

「「オリエント」という半ば神話的な概念は、十八世紀末にナポレオンがエジプトを侵略して以来、つくられてはまたつくり直されるということを無数に繰り返してきたのだ。その過程で、これがオリエントの本質であり、それゆえそれに相応しいように扱ってやら…

エドワード・サイード

「オリエントに対するアメリカの新たな社会科学的関心の顕著な一側面は、奇妙なまでに文学を避けようとする傾向である。我々が現代の近東に関する厖大な量の専門的な著作を読んでいて、一回たりとも文学への言及にお目にかからぬということさえありうるので…

エドワード・サイード

「現代の知識人は、アマチュアたるべきである。アマチュアというのは、社会のなかで思考し憂慮する人間のことである。……期待されていることをなすのではなく、逆に問いかけてゆくのである」 エドワード・サイード『知識人とは何か』(大橋洋一)pp.136-137

エドワード・サイード

「まもなく気がついたのは、常に権威(オーソリティ)を警戒していなければならないこと、そして、私の発言を封じたり本当の私であることから逸脱させようとする試みと考えられるものに屈することがないよう、何らかのメカニズムを作り上げ、進んでいく必要…

カレル・チャペック

「『山椒魚には精神があるか』という問題について、『デイリー・スター』紙の行なったアンケートは、この点興味のある材料を提供している。このアンケートに対する回答のうちから、有名人の言葉をつぎに引用してみよう(もっとも、真偽のほどは保証の限りで…

ウィリアム・フォークナー

「雄鹿は視界のなかに現われたのではない、ただそこにいただけであり、亡霊のようには見えず、まるで光がすべて体のなかに凝縮(ぎょうしゅく)し光の源(みなもと)になったみたいに光のなかを動くばかりか、光をまき散らし、いつもの鹿のように人が先に鹿…

新興の暴君はもっとも富裕な市民であった。

「十六世紀イタリアの山賊たちは、いままで通俗劇《メロドラマ》にあまり登場しすぎたうえに、よく知りもしないであれこれ取り沙汰するものが多かったために、今日ではこの連中についておよそ間違った考えがゆきわたっている。おおむねこれらの山賊は、イタ…

ヴァージニア・ウルフ

「人々の眼差し、素早い、たどたどしい、重々しいその足どり、怒号、叫喚、馬車、自動車、バス、荷馬車、のろのろと調子をとって歩いてゆくサンドイッチマン、ブラスバンド、手風琴、頭の上を飛ぶ飛行機の奏でる凱歌、爆音、ふしぎな高唱――そんなものを、私…

ルイス・キャロル

「アリスは土手で、お姉さんのそばにすわり、何もすることがないのにそろそろうんざりしてきたところでした。一、二度、お姉さんの読んでる本をのぞきこんだけれど、絵もないし会話もないのです。 「あら、絵も会話もないご本なんて何の役に立つのかしら」と…

ジョセフ・コンラッド

「我々は物憂げに二、三言言葉を交したが、その後船の上はまた静かになった。どういう訳か、我々はあのドミノのゲームを始めなかった。瞑想的な気分になり、ただ静かに眺めていたかったのだ。静かでこの上ない輝かしさの中で、一日が穏やかに終わろうとして…

R・L・スティーヴンスン

「女性にあげるクリスマスの贈り物を探してるんだよ」用意して来た言葉を言い出すと、彼はいっそう雄弁になった。「こんなつまらぬ用件であんたを騒がせて、ほんとに申しわけないと思ってるが、昨日買物するのを忘れてしまったんでね。今日、食事の時に、ぜ…

ジョナサン・スウィフト

「生きたいという自然の欲求が、私の胸にふるえるような喜びを生み、すぐに、これはひょっとすると何とかしてこのやりきれない状況から救われるかもしれない、という希望がわいた。しかし同時に、人間の住む島が空中に浮かんでいて、人間の思うままに上昇し…

ウォルポール

「とかく口さがないのは領内の百姓町人どもで、かれらは、御城主が若君の御婚礼をあのようにむたいに急がれるのは、あれは昔からここのお城に言い伝える古いお告げが、いよいよあらわれることになったので、それが怖いからじゃと、みんなそのせいにしていた…

不思議な話をまあ聴いて下さい。

さてこれから、私がご存じのミレトス風な物語〔ミレトスは小アジアの商都、いろんな奇譚集がここで作られたといわれる〕に種々さまざまなお噺(はなし)を織りあわせ、ご屓負(ひいき)にして下さる皆さんのお耳をたのしいさざめきでうっとりさせよう、とい…

フランツ・カフカ

「男は、小型のトランクの蓋をいくども両手で締めてみては、本錠の掛かりぐあいに耳を澄まして、トランクの錠前をいじくるのに余念がない。「まあ、はいったらどうだい」と、男は続けて言った、「いつまでもそこに立っているもんじゃないぜ」「おじゃまでな…