ぴょこぴょこ親鸞がとび出したり、道元がとび出したり、

「その点でおもしろいのは北一輝と筧克彦ですね。天皇制の再編成は必要としても、資本主義体制の上からいえば北一輝では困る、だからはじき出される。ところが、筧さんの方になると、その国体論は猛烈なもので、天皇制からいえば極右といってもいいものだけども、それが通常の国粋主義にむすびつくかというと、そうでもない。国体の中身は「空」みたいなもので、なんだか知らんけれども紙袋みたいなものの中から、ぴょこぴょこ親鸞がとび出したり、道元がとび出したり、ゲーテファウストまでとび出してくる。」
梅本克己の発言

梅本克己・佐藤昇・丸山眞男
丸山眞男対話篇2 現代日本の革新思想 上』岩波現代文庫 2002 p.75