我々はこのことを、あらかじめすでに知っている

「我々は、銃とは何であるかを、はじめて学ぶのではなく、我々はこのことを、あらかじめすでに知っているのであり、また、知っているのでなければならないのである。そうでなければ、我々は銃をおよそ全く、そのものとして看取することはできないであろう。我々は、武器とは何であるかということを、あらかじめ知っていることによって、また、ただ、そうであることによってのみ、およそはじめて、前に置かれた目の当たりにしているものが、当のそのものにおいて我々に見えてくるのである。」

マルティン・ハイデガー

『物への問い』
ハイデッガー全集41,高山守他訳、創文社、1989