ナショナルであることと、ナショナリズムは峻別されなければならない。

オルテガは、


国民国家形成のイデオロギーを、


健全な生命力の所産として、


その歴史的意義を高く評価する。


しかし、


いったん形成された国民国家の病理としての


ナショナリズムには、批判する立場にある。


「割拠主義」の病弊をもたらして、


国民国家を分解するからである。


つまり、ナショナルであることと、


ナショナリズムは峻別されなければならない。」

色摩力夫
オルテガ 現代文明論の先駆者』中公新書 昭和63 p.15-16