2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

生と死、醒と睡、若と老

「われわれのうちに存在するものはすべて同一なり。生と死、醒と睡、若と老。」ヘラクレイトス 「語録」

でも、物語はいつまでも消えません。―欽ちゃん

「いつまでも語られるのは、金メダルを取ったからじゃないの。そこに物語があったから。今回はそれが足りなかった。試合後のインタビューで「ゴールの瞬間はどんな気持ちでした?」なんて聞くでしょ。うまくないですね。「喜んでくれる人はどこにいますか?…

滝善三郎の切腹に負けて貰いたくなかったのである

「一月の神戸事件と重なって、対外関係は重要な様相を呈していた。容堂はもともと公武合体派で慶喜追討に反対だったが、新政府の窮状を察して、家臣の非を認めたのであった。神戸事件の隊長滝善三郎の切腹は、立会いの外国人にいい印象を与えていた。それに…

彼我のあひだに銃火を交へたことだけは間違ひなかつた。

「神戸異変といふものは日本側の日置帯刀等がいふところと、事件を目撃したといふ英国公使パークス始め諸外国人のいふところに相違がある。相違はあつても英人を殺傷して、彼我のあひだに銃火を交へたことだけは間違ひなかつた。 日本側の偽らざる事実はかう…

チョーサーの「コンピラーティオ」を存分に味わえるヨモヤマ話集, 2010/3/19

【『カンタべリー物語』レビュー】 聖地カンタべリーへの巡礼のためロンドン南郊サザークの同じ宿屋に泊まり合わせた 客29人と「私」と名乗る自分。ナイト、見習いナイト、坊主、粉屋、荘園の管理人、百姓、貿易商、料理人、医者、 法律家、 修道女、船乗り…

「なんだ、あれは?こっちにくるぞ!攻撃開始!」感で充溢する世界, 2012/1/10

【映画『世界侵略:ロサンゼルス決戦』レビュー】 戦場でのPTSDを抱えるアメリカ軍ベテラン海兵 ナンツ二等軍曹の自己の再生の物語。ただし、診察室のなかで、カウンセラーに付き添われて行うようなものではなく、傷を負った当の戦場で自分自身と部隊の人間を…

東亜共栄圏の思想はかつては右翼の専売特許であった

「東亜共栄圏の思想はかつては右翼の専売特許であった。日本の帝国主義はそのままにして、欧米との対立のみが強調された。だが、今では歴史の舞台が大きく回転している。」 廣松渉 「東北アジアが歴史の主役に」 『朝日新聞』1994年3月16日夕刊

告白はもっと姑息なのだ、もっと小汚いものだ。, 2012/1/6

【映画『告白』レビュー】告白というジャンルは、古くから社会で広く用いられてきた方法論のひとつである。その場合、あくまでも、秘密裡に、すくなくとも懺悔室のなかでのみ行われた。本来、ある人間の告白と、別の人間の告白は、決して交わることはない。…

映像美にもたれかかりながらも、かろうじて鏡のカケラに映りこんだ世界観, 2012/1/6

【映画『ブラック・スワン』レビュー】 『白鳥の湖』の主演に抜擢されたダンサー、ニナが遭遇する異常体験を描いたスピリチュアルでサイコなスリラーもの。 原題もそのまま「ブラックスワン」。プレッシャーゆえに極度に他人を意識し、初演に至るまでの葛藤…

現存する種々の断片を寄せ集めては、形にするという作業

「作家としての私の仕事は、私の歴史のあらゆる時代のあらゆることがらについて書かれたノートや断章を、ひたすら活用して(まさに文字通り)作品にすることのうちに存している。私にとって、あるテーマを扱うということは、ずっとあとになって選択された主…

東京の若者のすべてがここに集まっています…, 2010/3/15

最近、書評ならぬレビュー書きにハマっています。いくつか書き溜めていますが、取り急ぎ 過去に書いたものをもう一度読み直します。========= ココカラ =========【CD 電気グルーヴ『VOXXX』レビュー】「東京の若者のすべてがここに集まっています… 」 この…

不休の色彩で自らを描く、28歳

「アルブレヒト・デューラー、ノリクム人、不休の色彩で自らを描く、28歳」アルブレヒト・デューラーの自画像の署名ドイツ、国立美術館アルテ・ピナコテーク所蔵

街の娘っ子のおしゃべりにふさわしいような形而上学

「個人の心意にかかわる事柄を、哲学の問題と呼ぶに値するものにまでこのように昇格させることは、結局それが、街の娘っ子のおしゃべりにふさわしいような種類の形而上学に終ってしまう危険を、あまりに多く孕んでいる。」クロード・レヴィ=ストロース(川田…

算数の計算の

娘の算数の計算の問題

重要なのは、引用をそれ自体として分析することよりもむしろ、

「重要なのは、引用をそれ自体として分析することよりもむしろ、引用という迂路を通して、引用が貼りつけられている具体的な言説である多様な相互注釈というものを探索することなのである。」アントワーヌ・コンパニョン 『第二の手、または引用の作業』水声…

固定観念ほど…

「固定観念ほど遊走性のものはない」ヴァレリー 『固定観念』医者が言うセリフより

互いに注釈をし合ってばかり…

「われわれは互いに注釈をし合ってばかりいる。」モンテーニュ